2012年11月17日土曜日

サイレン


本日、金曜日ユダヤ教の休息日であるシャバット入り後すぐの午後5時頃、僕の住むエルサレムにおいて空襲警報が鳴りました。

ロケット弾はエルサレム近くのGush Etzionと言うパレスチナ西岸地区に着弾しましたが、ケガ人はなかったそうです。

そして、今回の空襲警報は僕にとって初めての空襲警報でした。

大丈夫だと分かっていても、”もしかしたら.....”と言う気持ちが心に少しやどり、動揺とまではいかないですが、僕の心の中では不謹慎かも知れないですが、少しの高揚と少しの不安が混ざった様な落ち着かない気持ちが生まれました。

警報後、少したって爆発音の様な音が遠くから聞こえて来ましたが、その音がロケット弾の炸裂音だったかは分かりません。

僕は友達の家におり警報が鳴り止んだ後に外に出ると、数人の住民の方がアパートの階段に避難していました。
そして、建物の外に出るとユダヤ教徒の人達が話しかけて来て”携帯でニュースを見たか?一体どこに落ちたか分かるか?”などと質問して来ましたが、その時はまだ僕も情報が無かったので答える事は出来ませんでした。

何が起るか分からない状態だったので、一旦家にビデオカメラを取りに家に戻るとシェアメイトが料理をしながら”So大丈夫だった?エルサレムで空襲警報聞くの湾岸戦争以来よ、本当最悪だわこの国。心配する事ないよSo、Welcome to Israel!!”とジョークにしていました。イスラエル人はブラックジョークと政治の話が大好きなのですが、早速今回の空爆もジョークのネタになっていました。
まだまだイスラエル国民にとって大きなショックとまではいかないんでしょう。

他の友人も、今回のロケット弾だけでは国全体が好戦的にはならないだろうと言う様に僕もそう思うし願っています。

イスラエル政府はまず予備役1万6千人を投じ最終的に7万5千もの兵力で対ガザ地上作戦を準備していると言うニュースもあり、兵役時に戦闘員として訓練された経験豊かな予備役兵士が作戦に加わると言う事を意味しているんですが、何でも話せる僕の親友に戦闘員として兵役に就き兵役後も国家間の緊張がある度に軍から予備役招集されているが今回も招集されてしまうのかと思うと複雑な気持ちです。

彼とは今年の夏にイスラエル人の許可書なしでの立ち入りを禁じている、パレスチナ自治区内にあるキリスト教の聖地であるベツレヘムに外国人旅行者を装って入りました。(彼はイスラエル国籍と別の国のパスポートを所持しているのでパスポートを詳しく見ないとイスラエル人とは分からない為に外国人旅行者に化ける事が出来た。)
彼は初めてのパレスチナ自治区内に驚きを持ちながら、静かに目に焼き付ける様に見て回っていました。

イスラエルのチェックポイントを通過する時はさすがに二人してドキドキしましたが、特に問題なく通過できました。
その後、心配事の無くなった彼は"すごく楽しかったし見れてよかった、ありがとう"と真剣な顔で言われた時の事は今でも鮮明に思い出せます。

”いつか僕はスペインで静かに暮らしたい”と言う頑固な愛国者でもない僕の親友は招集令が出ればきっと出兵するだろう。
それは、イスラエル政府から援助を受ける立場にある学生にとって兵役に就く事は必要条件であるからかも知れない、イスラエルでイスラエル人として生きる為に必要な事かも知れない。

だけど、彼は心の中では”戦争何てしたくない”と強く想っている事は僕には分かる。
そう想って兵役に就いているイスラエル人は少なくない。
だけど、戦争は終わらない。



平和って何なんでしょう、本当。





※シャバット
ユダヤ教の休息日で金曜日の日没から土曜日の日没までの間、一切の就労(電気を使う一切のモノを動かす事や、火を使用する料理も禁じている)を禁じた休息日。
休息日はユダヤ教徒が多く住む地域では道路を通行止し、騒音のない静かな時間が流れている。
TVや携帯やラジオなどもシャバット中は電源を入れられないので、宗教者は情報を人づてで聞く事しか出来ない為、今回の攻撃は宗教者が多く住むエルサレムの混乱を狙ったものかも知れない。


So

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